運命は始まったばかり
夕方から夜にかけて

街頭でのケーキ売り場は
混雑へと化していき、

ミニスカサンタ3人は
大忙しになっていく。

そして、ようやく

夜10時が過ぎた頃

並んでいたケーキも、残り数個となり


「もう、お客もこないし
上がろうよ」


「そうしよ、そうしよ」


そう言いながら

片づけが始まった時、


スーツ姿の茶髪という
一見するとホストのような

男性が近づいてきた。


「小さいホールないの?」

「すいません、売り切れてしまいまして・・」

「そのでかいケーキ何人分?」

「こちらは5人~6人にいいサイズになってます」

「それしかないんだよね?」

「はい、申し訳ありません」

「仕方ねぇか・・・
じゃあ、それでいいや」

「はい、ありがとうございます」

思わず魅入ってしまうほど
着崩したスーツ姿に、切れ長の目
きれいな白い肌に

ケーキを渡す手が
震えてしまうほど緊張してしまっている。





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