Witch and Vampire ―恋物語―
すると、急にソラが静かになった。
「ナイトさんは、どうしたんだ・・・?」
上目遣いでテラを見上げる。
「今日は今までの分の仕事があるため、遅くなるそうです。」
「そうか。お仕事なのか。仕方ないな。」
ほっとした顔を見せたソラはまた学校での話に戻った。
ソラの顔に見えた、心配、怯え。
そんなところだろうか。
まだナイトには言っていないが、テラは書籍を調べているうちに、色々なことを知った。
デクルマ家は年々減りとうとう三家族しか残っていないということ、そして、そのうちの二家族は悪魔が原因で遠く離れた地で暮らしているということ。
他にもあったが、有力な情報ではなかった。
先ほどの彼女の気持ちは暮らしのなかで経験したものだろうか。
いや、まだ彼女が来てから一週間が経過したばかりだ。
聞くのは、また今度にしよう。
テラはソラの横顔を見つめた。
彼女を不安にさせないように。
まるで久しぶりにできた娘のようだった。