この束縛野郎が!!







それでも俺は雪乃を離したくない。


雪乃は……あんなに一緒に居たい子はいない。



きっとここに居るのが吉村じゃなくて雪乃なら…

俺は雪乃の気持ちを考えずに色々言っちゃうかもしれないけど、それでも言うのは雪乃の隣が落ち着くから。



雪乃は、見返りを求めず愛したいと思える人だから。


















夏休み、市立図書館へ古典の課題の資料を探しに行った時、雪乃にぶつかった。




一緒に落ちた教科書を拾ったとき、
一本に縛った長い黒髪がサラッと前に落ちてきて、
フッと見とれてしまった。

ああ…綺麗だ…



普段ならこんな事になっても『じゃあ』で、切り上げるのに、

何故か一緒に課題をやろうなんて提案して、

その日だけじゃ飽きたらず他の宿題も一緒にやろうなんて強引に約束取り付けて、
連絡取れないと不便だから…なんて言いながら逃がさない様に連絡先交換して。


直ぐに気づいた。


俺はこの子に惚れてるって。




惚れてるだけならまだいい。


『この子を絶対離したくない。俺だけの雪乃にしたい』


そんな今まで考えられなかったくらいの強い独占欲と束縛心が出てきた。




それはもう…日を増す事に…雪乃が男と接するのを見る事に…




 
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