candle
pink
だんだん秋も深まる…。

冬の真ん中になると
新入社員の募集が締め切られる。

でも、私は郵便屋サンのコト…
何も知らないんだよと気づいた。

チョコレイトが好きかどうかも
…名前も。

低くて優しい声で、背が高くて…
歩き方を知ってるくらい。
付け加えられる情報は…童顔。

気になって毎日見つめてたら
男性らしい顔で童顔だった。

…自分にも自信無いし…。
どうしようと思わず溜息が出た。

「…何かあったんですか?」
郵便屋サンの声に驚いた。
もう、郵便屋サンが来られる時間
だったんだ…っ。

「溜息って…珍しいですね。」
「ごめんなさい。考え事してて。」
慌てて受領印を用意して押した。

いつもの受領印を押した紙を
郵便屋サンへお渡しする。

郵便屋サンはその紙を受け取り
エレベーターへ向かおうとしていた。
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