【完】伝えない、伝えたい。



「凪咲…」



首筋に唇を這わせながら、甘く囁かれる名前。




「…んっ…」



あたしの弱点を知っている颯太くんは、耳元で囁いたりペロッと舐めたりする。



あたしが甘い声を出せばその唇も塞がれる。




「…ん、ふ…」



いつまでも慣れない颯太くんのキス。





好き。


好きなの。




溢れ出しそうな想いはいつも、心の中で繰り返されるだけだった。




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