Bitter Sweet
8.思い出の場所
あの翌日から、高梨とは。

会社で一緒に仕事をしていても、ほとんど目を合わせることもなく。


淡々とした態度だった。


そのまま土曜日になって、

昂くんとの約束の日。


久しぶりのデートだしな、とちょっとだけドキドキしながら、着ていく洋服を選んでいた。

とはいえ、どこに行くつもりか結局教えてもらってないので、どういう格好にしたらいいか割と悩む。

最近買った、ワンピに、ヒール低めのブーツにしとこう。

なんて考えながら着替えようとした時。

ふと胸元を見ると、

うっすらピンクのような、紫のような痣があるのに気付く。


…?なんだっけコレ。いつかぶつけたっけかなぁ。

最近、朝も夜もバタバタしててあまり自分の身体を見てなかった。


うーん?

と、思考を巡らせ辿り着いた記憶は。


数日前の、あの夜。

ー高梨の、痕。
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