Bitter Sweet
そのワケを問うと、高梨が言うには。

「ん~、前も言ったと思うけど、簡単に付き合えそうなコには興味がわかないから、が強いかな。
言い寄られるのも悪くないけど、やっぱり自分から迫りたいし?」

だ、そうで。

「まぁ単純に、スキだなと思える人がいなかっただけかなー。」

…へぇ。
見た目カルイし女関係もカルイのかな、と勝手に思っていた私は、少しだけ、見直してやった。


「…来るもの拒まず、じゃないんだ?」
私がチラッと高梨を見ながら聞くと、ヤレヤレ、という風に肩を上下させる。


「ひかりさんさぁ、ゼーッタイ、オレのこと、手当たり次第女の子ひっかけて遊んでる奴だと思ってるよね。。」

「あは、バレた?つい。…っていうか、そう見えるのがフツーよ?女性関係キレイです!…ってキャラじゃないでしょー。あんたには不本意かもしんないけど!」

「それねー、最近オレの悩みかも。まぁさ、全く違うわけでもないけどさ…?それなりに遊んでた時期もあるし?モチロン、タイプのコだけだけど。
でも、オレとちゃんと付き合ったコはみんな、さ。」

一呼吸置いてポツリ、呟いた。

「オレを信じられなくて、離れてくんだ…」


そう言った高梨の瞳はどこか遠くを見つめて、揺らめいて見えた。


ーーーサミシイ。


…そう、瞳が言っていた。





< 12 / 263 >

この作品をシェア

pagetop