Bitter Sweet
翌々日、高梨は普通に出勤してきた。

一瞬、じっと見つめられたけど。

私とは仕事上の会話だけ交わし、それ以外は殆ど絡みもなく。


分かってはいたけど、
この距離感は…馴染めない。

元々は、私が置いていた高梨との距離。

その壁を突破された後に、また壁を構築されるのって結構ヘコむもんだな、

なんて。

妙に客観的な自分に自嘲的な笑みが浮かぶ。





昼休みには、いつも通り、高梨は女の子達に囲まれて。

確かに、女は私だけじゃないと実感する。


そして何気に昂くんも女子社員から人気を集めていて、

ランチや飲みに誘われてるのを何度か目撃していた。

クリスマスが近いせいもあるんだろうけど、

女の子はみんな華やいでいる。

出来れば好きな人と過ごしたい、

そんな想いで。

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