Bitter Sweet
「オレが、ですか!?」

「あぁ。といっても、いきなりお前と桃瀬が担当から外れたら取引先も、引き継ぐやつも大変だからな。お前は、1か月後だ。」

1か月。
その間に、引き継ぎをしろと。なるほど。

「はぁ。それは分かりましたけど…。突然で驚きましたよ…。」

課長は苦笑しながら、答えてくれた。

「お前、広報部希望だったろ?そっちに突然欠員が出たらしくてな。お前に白羽の矢が立ったのさ。」

確かに、入社した頃、希望してたのは広報部だった。
だから、正直、すげー嬉しい。

「ありがとうございます!」

「うん。頑張れよ。期待してるぞ。…まぁその前に引き継ぎはしっかり頼むな。」

「はい!!」




遂に、オレとひかりの職場が離れる。

もちろん寂しさもあるけど、離れてる方が色々ラクかも、とは思ってたから、前向きに捉えよう。


それに、将来を考えたら、どちらかの異動は必然だ。

結婚するから異動させてくれ、と上司に掛けあわず済んでしまったのは幸運だと思う。

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