Bitter Sweet
4.秘密
あっという間に夕方。
ようやく二日酔いも取れてきて、
頭がスッキリしてきた。

高梨への償いのため、少し奮発して、今日はすき焼き。
一人暮らしだと、家じゃなかなか鍋物はやらないかな、と思ったから。

その他に付け合わせを少々。
昨日の今日だけど、飲むだろうと思って、お酒も多めに用意した。


さっき、部屋番号をメールで聞かれたので、ボチボチ着く頃だろう。



ピンポーン。


「はーい、どうぞ。」

インターホンのモニターで高梨の顔を確認し、ドアを開ける。

「お邪魔しまーす。」

一応、差入れ、とビニール袋を渡される。

中に招き入れながら、
何だろう、とそれをキッチンに運びビニール袋に入っていた箱を開けてみると、色とりどりのフルーツで飾られたプリンが入っていた。

「うわぁ、すっごい美味しそう!!後で食べようね、高梨!!」
思わぬスイーツの登場にテンションが上がってしまう。

そんな私を見て、あいつはふふっと笑い、モチロン、と頷いた。


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