Bitter Sweet
7.揺れる想い
高梨の部屋に再び泊まってしまった日から数日間。


私の気持ちは、押し寄せては引いて行くさざ波のように、揺らめいていた。


高梨をオトコとして見てない珍しい女として、
アイツの興味を引いていたのは知ってる。

私がアイツを意識するように試したい、なんてことも言われてた。


高梨にとってはそれはゲームみたいなもので、
冗談半分で面白がってるんだって相手にはしてなかった。


ーあの夜。

全部、オレのせいにしていいから、と。

私を抱いた夜。

慈しまれてた…?


昂くんを想って、泣く私を。

アイツはどんな気持ちで抱いてたんだろう。


見た目ほど軽い男じゃない。


それに、女の扱いは慣れてるはず。
面倒なことになりそうだと思ってたら、私に手なんか出してこないよね…。


どこまで本気かは分からないけど…

色味を帯びた好意を寄せられてる、気はする。


参ったな…

アイツが私に惚れてるかも、なんて。

想定外。


< 87 / 263 >

この作品をシェア

pagetop