らいおん


だからね、今考えると。

それが、私にとっての“初恋”なんだよね」





茜がゆっくりと顔をあげた。

「………」

私たちは何も言えなかった。



「ちょっとー、黙らないでよー」

茜は笑ってそう言ったけれど。

言えるような雰囲気ではなかった。






「どうして、別れちゃったの?」

私が聞きたくて聞けなかったことを、美咲が聞いてくれた。



「……私が言えなかったから」


茜がまた話し始める。




< 24 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop