らいおん
side story すまいるふらわー

プロローグ

**美咲**


「ごめんね孝太郎くん、茜、具合悪くなっちゃったみたいで。少し休めば大丈夫だと思うんだけど」




小さい頃から、嘘は上手だった。

親の仕事が忙しかったせいか、迷惑をかけて嫌われるのが、怖かった。

だからいつの間にか、そんな風になってしまったんだと思う。





「どんな感じなの?」

「貧血だと思うよー」

「そっか…お「孝太郎!ノック始めるぞ!」

遮るように、先輩(?)に呼ばれた孝太郎くん。



「あ………」

「大丈夫。試合始まるまでには元気になると思うから。茜のことは気にしないで?」

「……わかった」



孝太郎くんは帽子を深くかぶり直し、私に背中を向けた。




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