プラトニック・プラネット


ずっと、見てるだけの恋だった。


毎朝眠そうにしながら登校してくる君を。

授業中、ぼやーっと外を見ている横顔を。


ずっと、密かに見つめるだけだった。




だから、いま、こうして。


和泉さんの側で、和泉さんと一緒に笑い合えることが、死ぬほど嬉しくて。



名前を呼べば、和泉さんが俺を見てくれるなんて。

いまだに、夢なんじゃないかと思う。




「和泉さん」


「んー?」


「あのさ、」



好きだよ。



...なんて。

サラッと言えるくらいの勇気が、俺にあればいいのに。




「......ジュージャンする?」


「よっし、負けないよ」


「「じゃーんけーん...」」




...はたから見れば、カップルとはちょっと違うように見えるのかもしれない。


だけど、和泉さんとのこの距離感、俺はとても気に入っている。



「俺は、ね」


「何か言った?」


「いや、別に」


「じゃ、苺ミルクお願いねー」


「......」



あとはジャンケンが強くなれば、言うことないんだけど。




***


「2.ばれたけど、ばれてない。」end.


< 11 / 37 >

この作品をシェア

pagetop