魅惑のキスネコ!【完】

「3Dのやつがいいな!
メガネかけるの。
どれだっけ。」

「あぁ、それならコレだよ」

ジンがマップの一部を指差す。


「お兄ちゃん!あっちになんかいる!」


横から入ってきたサヤカちゃんが
ジンの腕を掴んで
指差すほうに引っ張った。

「え!サヤカ」

ジンの叫びはむなしく
そのままサヤカちゃんは
ジンを引きずるように
その方向へ走り出す。

あたしとポパイは
慌ててその二人を追いかけた。


大きな人ごみが出来ている中心には
大きな着ぐるみのキャラクターが立っている。

「わーいいなぁ!
私も一緒に写真とりたいよ」

ジャンプしながら
人ごみから一生懸命
そのキャラクターを見ようとするサヤカちゃん。

「えぇー。
サヤカもう高校生じゃん。
別にいいだろー」

ジンは苦笑い。

「えー・・。
うーん。わかったよぉ。
待ってる時間、もったいないしね。」

しぶしぶ諦めると
サヤカちゃんは
あたし達の方を向く。

「えっと、それじゃぁ
どこ行くんでしたっけ?
3Dのアトラクション??」


「あ、うん。
もしよければ」

「いいに決まってるじゃないですか。
じゃぁそっちに向かいましょうっ」

サヤカちゃんはそう言うと
ジンに腕を絡めたまま
ずんずん歩き出した。

また、取り残されるあたしとポパイ。

とりあえずさっきみたく
二人の後について歩いた。

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