永遠(とわ)に果てぬ愛



黙り込んでしまったオレに、和奏はもう1度言う。

それも、掴まれている手をぶんぶん振りながら。



「やだ」



否定の言葉を口にして、手に力を込める。

今はまだ、イヤ、これから先ずっと、この手を離したくはないんだ。



「恥ずかしいのに……」



顔を真っ赤にしながらも、抵抗を緩めた。

抵抗しても無駄だって分かったみたいだ。


そのうち、和奏の手からも力が込められていることに気づく。

オレは、それに驚きながらも満面の笑みで和奏を見つめる。


そんな幸せな空間は、いとも簡単に壊される。

第三者の、それも逢うことを1番望んでいないヤツに、壊されるんだ。



「怜央ーっ」




< 312 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop