永遠(とわ)に果てぬ愛



「だったら、清水がヤバイって。あんなの見せつけられて、アイツが黙っている訳がないって」


「言っときますけど、横から手を出してきたのは向こうですから」


「お前ら、いつから付き合っているんだ?」



もっともな質問を、先輩はしてきた。



「高校の時からです。高校が一緒なんで」



それに対して、嘘は吐かず正直に答えた。

もしかしたら、このことだってすぐに噂になるかもしれない。

だけど、それでいいんだ。

悠真から目をそらすことが出来るし、敵意は真っ直ぐオレに向く。

そうなると、対応はしやすい。



「……俺は何も言わないよ。ただ、気をつけろよ。アイツ、凄い怒っているんだから。
優秀な部下を失いたくはないからな」



それだけ言うと、仕事に戻って行った。

なんだかんだ言って心配してくれるらしい。

調べたところによれば、先輩と林サンは同期らしい。

今でこそあまり話しているところを見ていないけど、元々仲良かったみたいだ。

だから、もしかしたら真相を知っているかもしれない。

それでも、同期だから売りたくはないのだろう。


これで、種は蒔いた。

あとは、これをどうやって育てていくのか。

見ていくしかない。

和奏にも手を出しかねないから、その辺も気をつけとかないと。

林サンの素性が暴かれた時、平穏な日々が訪れる。

そうしたら、和奏の全てを手に入れるから。




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