永遠(とわ)に果てぬ愛



「お前……!誰に向かって口を聞いているんだよっ」



社長の目の前で、我を忘れるように怒鳴っている。

オレの言葉より、口調が気になるとか。



「アンタ、不倫の上子供作ったみたいだな。だけど、相手と一緒になるつもりなどなく、中絶させた。それが理由で、相手は離婚。そして、自殺」


「なっ……なんでそれを……!」


「それも、中絶させたのは1人じゃねぇな。気に入った子がいれば、生でヤって捨てる。それを繰り返していたみたいだな。
結局、和奏もヤることが目的だったんだろう」



そう言い放つ。

そして、証拠としてラブホテルに入って行く2ショット写真を何枚も広げた。

その中には、既婚者もいた。



「今でも、ヤっているみたいだな。手間が省けて助かったけど」



完全に堕ちたらしく、何も言い返せず青ざめている。



「今回の横領も、和奏を手に入れるためオレを陥れたかったみたいだけど、相手が悪かったな」


「お前、一体何者なんだ」


「オレの名前は、天羽怜央。ここにいる社長の実の息子だよ」



そう言うと、林サンだけではなく課長と係長も驚いている。



「怜央さんの正体は、正直調べればすぐに分かること。その辺を怠った林さんの負けだよ」



オレの正体を知っていた部長は、呆れるようにそう言う。




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