Weekdayも会いたくて
「はぁー」


1人大きなため息をついた。


愉快に流れるクリスマスソングを聴きながら、今日も1人で帰宅する。


街中が笑顔で溢れているというのに、私の周りには重くてどんよりとした空気。


私1人だけ不幸な気分だった。


結局、彼には会いたいって話をすることなく、クリスマスを迎えてしまった。


彼も一度もクリスマスの話をしなかったから、ついわがままを言ってしまうって事も無かった。それはそれで寂しいけど。


「ただいまー」


誰も居ない部屋に向かって、独り言のように呟いた。


玄関を開けると、暗くてひんやりとした部屋が待っていて、もちろん1人暮らしのアパートじゃ誰からも返事なんて無かった。


「なんか今日はもうダメだ。早く寝よう」


1人暮らしが長くなると、独り言も比例するように多くなる。


こんなにも気分が乗らない日は、早く休むに限る。


さっさとシャワーを浴びて、ベッドへと潜り込んだ。
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