俺様王子様に振り回されて
――昨日。




結局5時間目は泣き続けていた私。



それでも、なんとか気力を振り絞り、6時間目には出ようとしたんだ。




けど。


5時間目の休み時間に教室に戻った私の顔を見て。



羽依が問答無用で裏庭へ連行。





で、心配そうに私の顔を覗きこんできた羽依。


「・・・どうしたの?茜。何かあった?」



私は、羽依に黙っていられるほど、気力はなかった。






これまでのことを、洗いざらい羽依にぶちまけた。




話し終わると、羽依は私を抱きしめて言った。



「茜・・・辛いよね、苦しいよねっ・・・・・・泣いて、当然、だよっ・・・」




そう囁いた羽依の声は、震えていて。


羽依の顔を見れば、羽依は涙をこらえていた。



それが、私の心をほわりと満たして、気がついたら、また泣いていた。








羽依は、私の涙の波が引くと、真っ直ぐに私を見た。



涙でキラキラ光る羽依の瞳は、凄く綺麗だった。





「ねぇ、茜。茜は・・・・・・どうしたい?」



紡がれた言葉の意味が、解らなかった。





「どう、したい・・・って、どういうことだよ?」



首を傾げれば、羽依は真剣な顔で言った。





「茜が、どうしたいのかを聞いてるの。

諦めたいの?

追いかけたいの?


茜は・・・どうしたいの?」




真摯な口調。




私は、俯いて考えてみる。






私は――


私は――


私は―――?






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