俺様王子様に振り回されて
今考えると、マジで馬鹿だったなぁ・・・と、しみじみ思う。


あの、男の叫び声を聞いて、お客さんだ、だもんな。






けれど兄貴は、異常な状況だということにすぐに気づき。


声の聞こえてくるリビングに急いだ。



私も慌てて兄貴を追った。






そして。


リビングの状態を見て、唖然とした。




リビングでは、3人の男達が、司を囲んでいたのだ。


しかも、1人のいかつい男が司の胸倉を掴んでいた。






兄貴はバッと飛び出し、その男の手首を握った。



男が反射的に司の胸倉を離す。





「けほっ」


司がせきをした。





私は司にさっと駆け寄った。



「大丈夫か?」


「だ、だい、じょ、うぶ、だ」



司は途切れ途切れに『大丈夫だ』と言った。



私は、司に頷き、男達を見上げた。





いかつい男の他に、知的な男と色っぽい男がいた。




兄貴はそいつらとすでに睨み合いを始めていて、私はそれに参戦した。





「・・・どなたですか?」



兄貴は、睨み合いを続けながらも冷静に聞いた。







男達は、それぞれ微笑を浮かべて言った。








「「「菜子の不倫相手」」」









どこか、楽しげにさえ聞こえる口調だった。





< 118 / 172 >

この作品をシェア

pagetop