Always
「じゃあ、そろそろ行きましょうか?」

そう言った先生に、
「――あ…お疲れさまでした」

私は言った。

「えっ?」

先生は不思議そうに首を傾げた。

「今年もお仕事、お疲れさまでした…」

つけくわえるように言った私に、
「ありがとうございます、芹沢さん」
と、先生が笑ってくれた。

ドキッ…と、私の心臓が鳴った。

よかった、意味が伝わって…。

ホッと胸をなで下ろした私に、
「芹沢さん」

先生が私の名前を呼んだ。

「行きましょうか?」

「――はい…」
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