ハリネズミの恋
楽しそうに話をしている3人に、俺は大人しく見ているしか他がない。

何だよ、人見知りだとかって言ってたくせに。

人見知りだから話ができないみたいなこと言ってたくせに。

俺は大丈夫だって、言ってたくせに。

「七緒ちゃん」

ポンと肩をたたかれたので視線を向けて見ると、ニヤニヤ笑顔の太だった。

「お前、さっきのライブで見た“鬼”とは思えないな」

皮肉るように言った俺に、
「今は?」

太が聞いてきた。

「どっちかって言うと、“悪魔”だな」

俺は質問に答えた。
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