ハリネズミの恋
「6歳上のオトナ女子に恋して、告白までしたんだけどさー…振られちゃったの。

好きな人がいるからって」

太は頼んでもないのに話し始めた。

「えーっ」

西脇優奈は手を口に当てて、驚いたリアクションをした。

「だから西脇ちゃん、かわいそうな七緒ちゃんを慰めてやってよー」

「太!」

マジでキレる5秒前の俺の強い口調に、太は口を閉じた。

人が頼んでもないことをベラベラと、そのうえ傷口に塩とわさびとからしを平気で塗りつけやがって…!

「悪ィ、俺もう帰るわ」

気分が悪い以外の何ものでもなかった。

俺は足元に置いていたカバンを肩にかけると、腰をあげた。
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