龍神様との恋愛事情!


 全力疾走の甲斐あってか、追いつかれなかった。

社殿の脇にしゃがみ込んで呼吸を落ち着かせる。


「はぁ、はぁ…」


「どうした」


この声は…。


「は、くりゅ…さま」


鳥居にもたれかかるようにして立っている白龍様。

今日はこっちにいたんだね。


白龍様は私を横目に見ると静かに言った。


「息が荒いな」


「な…何でも、ないです」


逃げてきた、なんて言いたくない。

笑ってごまかす私を白龍様は無言で抱きしめてくれた。


ああ…白龍様の香り、温もり。

とても落ち着く…。


「どうした」


「あ、いえ……。やっぱり…白龍様の腕の中が一番安心できます」


今の素直な気持ちをこぼしたら、ムッとした表情をされた。


「……誰かに抱かれたのか?」


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