龍神様との恋愛事情!


 頬や腕に当たる風は、突き刺さるようだった。

冬の夜中、半袖シャツにパジャマで外出するのはさすがに厳しい。

しかも裸足。


寒いったらない。


でも、寒いですなんて口に出したら、また「黙れ」とか言われそうで怖い。

寒さと恐怖で私の身体はブルブルだ。


しっかりパジャマの上を抱きしめていると、白龍様が急降下し始めた。


下を見ると、山が…ってもしかしなくても塒山?

そういえば千早様が…。



――この池は、私達龍の世界と繋がっているんだ



とか言ってたよね。

塒山の塒池に白龍様は向かってるの?


なら、近くに千早様がいるかもしれない。

助けてくれないかな…。


突然連れて来られて意味がわからないし、なんか…寒さで身体の感覚もマヒしてきたし。


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