jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
途中、少し肩が肌蹴たことに気付いたが、極楽気分を味わっていたので、注意したり整えたりする気力は湧いてこなかった。
徐々に眠気が襲ってきた。
しかし、途中から、揉みのあとに、チリッと電流が走るような刺激を感じるようになった。
その刺激は、眠気が一気に覚めてしまうほどの威力だった。
と言っても、悲鳴をあげるような痛みではなく、どこか感じてしまうような狭窄範囲の痛み。
(何!? 電気マッサージ!?)
訳が分からないまま、身を強張らせていると、再び同じ刺激が走った。
「あの・・・・・・香さん・・・・・・?」
表情も姿勢も把握できない香さんに少し怯えていると、背中越しから甘い声が聞こえてきた。
「どうしたの? そんなに肩を硬くしちゃだめ・・・・・・リラックスして、蕾」
「その、少し痛いの・・・・・・。ときどき、電流が走ったみたいに感じるの」
少し間が空いてから、答えが返ってきた。
「このこと?」
再び、電流が走った。
(そう、この刺激!)
即答しようとしたとき、香さんはすぐさま口止めするように告げた。
「あぁ、これね。特殊な小型のマッサージ機だよ。気にすることはないから」
その言葉に安心したせいか、定期的に刻まれる痛みも気にならなくなり、再び眠気に誘われていった。
(眠るなんて、もったいないな・・・・・・)

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