迷惑なイケメンに好かれました。
タイミングが良いのか、悪いのか。
千春が戻ってきた。
腰に手を当てて、頬っぺたを膨らませてお怒りモードだ。
めちゃめちゃ可愛いけど、怒ってる…んだと思う。
「はい、いくよ」
「ち、千春?」
近付いてくると私の腕をつかんだ。
そしてレッツゴー!なんて言いながら歩き出す。
うん、やっぱり怒ってないのかもしれない。
足を進めながらも壁の方を見る。
てっきり引き留められると思ってたから。
だけど壁はジッと私を見つめてるだけで、そこから動きもせず、言葉も発しようとはしなかった。
ただ、その目が私の中のいつかの記憶と被って目をそらした。