理系彼女と文系彼氏(旧)
「ッ!?」

一瞬だけど、今確かに月見里君と目があった。

応援してて。

そんな風に口パクでされる。

うん、って頷いたのが見えたのか笑顔。

そして、試合開始。

無言になる。

もちろん五月蝿くしちゃ駄目っていうのもあるけど、話す余裕がない。

この前の練習以上の月見里君の動き。

いつの間にか歓声さえもやんで会場は静まり返る。

確かに藤堂先輩の言う通り。

これは、スポーツじゃない。

芸術だ。

ボールをつくダムダムという音だけが聞こえる。

美しい。
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