おかしな国のアリス

こんなのは、前代未聞だ。
お母さんにもおばあちゃんにもひいおばあちゃんにも聞いたことがない。
兎とアリスが猫を追いかけるなんて。
まったく厄介なことになったと、猫を少し恨んでいると、兎がまた私の腕を掴んだ。
「早く行きましょう、アリス。時間が経っては不利です。」
「…」
どうやらこの兎は、まだまだ白兎の血を色濃く継いでいるらしい。
…彼のとなりじゃ、しばらくは気が休まらないだろうな…と思った。

「アリス」
「ん?」
「猫、どこに居ると思いますか?」

…知るか…!!
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