*Dream*~ダメなあたしをあなたが変えてくれた~
そんなことを考えているとあっという間に時間は過ぎて教室が静かになった


『……あたしもそろそろ帰ろうかな?』


もう皆もいないし…帰ろ


そしてあたしは直ぐに帰る準備をして教室を出た


誰もいない廊下にあたしの足音だけが響く


かれこれこの生活を中学1年から続けてるから…4年くらいになるのかな?


友達なんていつから居ない?


そんなの覚えてない



×××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

『ただいまー』


シーン…


あたしの家は共働きではない


お母さんはいつも家に絶対いる


でもいつも返事は返ってこない


あたしは靴を脱ぎ、自分の部屋に行こうとした


すると


「あ、莉乃<りの>居たの?」


リビングからお母さんが顔を出して、嫌そうに言った


ズキンッ……


『ただいま……』

「てか、あんたどうしてそんなに暗くなっちゃったの?もうちょっと可愛く出来ないの?」


ズキンッ……


『ごめんなさい……』


あたしはそう呟くと自分の部屋に行った


ズキンッズキンッ


胸の痛みはどんどん酷くなる


あたしの居場所はどこにもない


あたしを認めてくれる人もどこにもいない


"もうちょっと可愛く出来ないの?"


お母さんのあの言葉


あたしは自分格好を鏡で見る


高校1年にもなって、髪型はみつあみのおさげ


スカートはふくらはぎまでの長さ


レンズの分厚いメガネ


なんにせよ


感情がわからない顔


あたしはもういつから泣いてない?


いつから笑ってない?


いつから怒ってない?


いつからあたしの中から光は消えた……?


どうして……


どうして……あたしは…


こんなにも邪魔な人間なんだろう?

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