黒蝶
─────学校の日

「行ってくる、椿大人しくしてるんだぞ」

「うん…」

「じゃあ、あとは頼むな真琴」

「あぁ」

恭弥が玄関を出たら直ぐに自分の部屋に戻った。
椿の部屋のドアが叩かれる音がした。

「椿、はいぞ」

椿は一切声を出さなかった。
警戒しているのは、見え見えだった

「まぁ、そんなに警戒すんな」

「…」

「一つ聞いていいか?」

「…」

「恭弥をどうしたい」

それは当然な切り出しだった
でも、真琴の顔は本気だった

「どうなんだ、椿」
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