*.遠い恋.*
《空港》

「はぁ…はぁ…。潤椰はどこ?」

私は息を切らしながら、潤椰を探した。

ホントに…どこにいるのよ…?

その時、

『佑衣!!』

潤椰の声が、背中の方から聞こえた。

振り向くとそこには…

「佑衣。」

潤椰が立っていた。

「潤椰…!!」

私は思わず潤椰の所に駆けつけ、潤椰に抱きついていた。

「会いたかったよぅ…」

力の無い声でそういうと、潤椰がぎゅっと抱きしめてきた。

「こんなに心配させてごめんな?」

潤椰が、優しい声でそう言ってくれた。

潤椰は、とても温かかった。
今の寒い冬のせいで、冷たくなっていた私の体は、潤椰のおかげで暖かくなっていた。

私の頬には、嬉しくて出てきた涙が伝っていた。

潤椰は、ゆっくり体を離し、私の涙を拭いてくれた。

「佑衣…ごめんな。」

「ううん。潤椰は何も悪いことしてないから、そんなに謝らなくていいよ。」

潤椰は、悲しい顔から、ゆっくりと笑顔を見せてくれた。

「佑衣…会いたかった。」

潤椰は、また私を抱きしめる。

「私も…会いたかったよ。」

潤椰の鼓動が私まで伝わってくる。

私の鼓動も、きっと潤椰に伝わっている。

お互い、ドキドキしてるんだってすぐにわかった。



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