* 竜の眠る国 *







「あら?シオン様はお出掛けに?」




 入れ替わりでマーサがカーテンを開けた。


 私は質問に答えられず、ただ、彼の温もりに驚いたまま。




 ……キス、したよね…?


 なんで―――





 そっと、自分の唇に触れてみた。


 途端に顔に熱が生まれ、そのまま意識を手放した。






 まるで知恵熱とでもいうのか…。


 私は熱を出し、ベッドから起きあがれなくなった。




< 134 / 287 >

この作品をシェア

pagetop