* 竜の眠る国 *
「………ダメか」
私が彼に言うより早く、溜息混じりに聞こえた。
「ねえ、この扉の鍵は持ってないの?
もしかしたら、巫女姫なら」
開けることができるんじゃない……?
そう思ったけど……
最後まで言えなかった。
「……おいっ!」
さっきまで無表情だった兵士の慌てた顔。
その顔が、薄紫の光に覆われた。
「なんだ、それは…!」
兵士は私に問うけど、その答えを持ち合わせていない。
私の胸を飾っていた紫水晶。
それが、目映い光を放っていた。
.