* 竜の眠る国 *




「……分かりました。

 すぐ参ります」



 何か大事があったのかも……


 急ぎ部屋を出る侍女と、ナタルに指示を出すマーサ。

 その異様な空気に、もう一人の侍女が不安げに二人を見ていた。




「……何かあったのかしらね…」

「はい…」


 侍女と二人でその様子を見つめていると、マーサが険しい顔で私に近づいてきた。



「ユウナ、今から隣国…ハウシュクエルから使者がいらっしゃいます。
 失礼が無いように、絶対に部屋から出てはなりません。

 それからあなたも、わたくしとナタル以外の者をこの部屋に通してはなりません。
 何かあったらすぐに外の兵に伝えて下さい。

 わかりましたね?」


 私と隣にいた侍女にそう告げると、ナタルと共に足早に部屋から出て行ってしまった。


 二人不安な顔のまま見合わせる。


「……客人て誰なのかな…」



 私の質問に、答えはなかった。



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