* 竜の眠る国 *




 天蓋付きの大きなベッド。


 レースのカーテン越しには、広い室内と大きい家具、壁全体に高さのある窓が透けて見えた。



 ―――だからっ


 ここはどこなのよ!?




 半ばパニックに近い状態の私は、カーテン越しに動く人の姿に気付いた。




 ……女性らしきシルエットが二人分。


 今着てるのがネグリジェなのが気になるけど……今なら、逃げれるかもしれない。




 恰幅のいい女性はもう一人と話していて、ベッドから抜け出る私に気付かない。




 ゆっくりベッドから抜け出て、


「1、………2の、……………3!」



 口に出した瞬間、走り出した。




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