やさしい記憶
「はぁ……」
あたしは
今日何回目かのため息を
また、ついた。
時計を見上げると
後少しでチャイムが鳴る。
行きたくないな……。
どうやって、昨日のこと
確認すればいいんだろう?
あんなに一生懸命だった
朱鳥くんの全てが
ウソだったと知りたくない。
「……」
そう
怖いんだ、あたし……。
確認するのが。
裏切られたと思いたくないから。
「……」
まだ
信じていたい。
朱鳥くんのこと。
でも……。