夜蝶 Ⅱ



早く…行かないと…
遠くに…行かないと…




暗い地下鉄の窓の外をながめ
萌愛さんのことだけを想った。



萌愛さん…龍雅と
話してないかな…?



ううん。



おつかいするために来たんだもん。
あたしを追いかけてくる時間なんて…




そう考えても
不安だけが胸に募った。



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