バース(アイシテルside伸也)
俺の中で女というものは強かで計算高い。
そして、自分の性を軽く考えているばかな人間。
そんな程度にしか思っていなかった。
ここに倒れているこの女が俺のすべてを変えるなんて、この時は想像できるはずもない。
「連れて帰るか?」
「俺、外はさすがにな……」
背後から男の声がして俺は思わず振り返った。
女は男達に連れていかれそうになっている。
こんな状況目の前にして、ほっとけるほど俺は冷たくはない。
「離せ」
俺は男達に近づき声をかけた。