バース(アイシテルside伸也)

「カズ、一人で帰れるか?」



「うん」



顔だけをこちらに向け、カズは少しだけ笑った。



「何かあったらすぐに連絡しろよ」



「カズはこんな事しないから安心して」



この時、頼りなさそうに見えていたカズが誰よりも頼もしく見える。



「気をつけろよ」



「うん」



カズは帰り際に俺にヒラヒラと手を振って帰って行った。

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