バース(アイシテルside伸也)

佑には俺の汚い気持ちが見透かされている気がした。



亜美のためという建前を作りながら、亜美を手放したくない俺の汚い魂胆が……



「あぁ、亜美のこと頼むな」



「はい」



開きっぱなしの扉から亜美の姿は見えない。



最後にもう一度だけ見たかったと、最後の最後まで情けない俺はゆっくりと足を進め、溜り場を後にした。

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