バース(アイシテルside伸也)

俺は“shot”をやめると決断した時点で、親父の会社を継ごうと決めていた。



勿論、康さんの意志を継ぐために、あの街を卒業したいという想いはある。



でも、それ以上に嬉しかったんだ。



どんな理由であれ、親父が俺を後継者として選んでくれたことが。



始めは


“今更”


“都合がいい”


そんな風にしか思えなかったが、段々とそれとは違う温かい感情が沸き上がってきた。



一生、必要とされないと思っていた親父に今必要とされている。



すべてをなかったことになど出来ないが、ここから始めてみたいと思ったんだ。



俺が欲しくて堪らなかった家族ってものを……

< 306 / 355 >

この作品をシェア

pagetop