バース(アイシテルside伸也)



「私、私に始めて愛を教えてくれたのが伸也さんでした。仲間をくれたのも伸也さん。喜びや幸せをくれたのも伸也さん。伸也さんに出会わなければ私は生きていなかった。今でも伸也さんが必要です。でも、私達は愛する家族のために別々の道を選んだ」



あの頃には見せなかった、強い眼差しで、亜美は自分の気持ちを話しだした。



「私は別れる前から伸也さんがお見合いをしてしまう事を知っていました。だから、今日私もお見合いをすることに決めたんです。そして、今日出会った人と結婚すると決めていました。こういう出会いも運命だから」



俺が微笑むと、亜美は少し頬を赤くする。



「本当の意味での運命だったな」



「パパ、ママ、私、伸也さんと結婚したい。伸也さん意外考えられない」



亜美のその言葉を聞いて俺は立ち上がり、亜美の頭にポンと手をのせた。


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