バース(アイシテルside伸也)


気になる事をそのままにはしておけない。



だから康さん本人に直接聞くことにした。



「康さん、聞きたいことがあって。いいっすか?」



「珍しいな。いいぞ。飯でも食いに行くか」



そう言って康さんは立ち上がった。



俺は康さんの後を着いて歩く。



「どこ行くんすか?」



「すぐそこの居酒屋。俺の先輩がやってる」



いつも車に乗っているところしか見たことのない康さんが、信号待ちをしているなんて何だか変な感じがする。



「腹減ってるか?」



いつものように優しい声で俺に気を使ってくれる。



「結構空いてますね」



「好きなだけ食えよ。俺のおごりだから」

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