雨の日のふたり
2.レトロなリアル
店の軒先へ先に私を押し込めて傘の水を切る彼。


中から見慣れた顔がのぞく。



「お、久しぶりだな。おかえり」


そう私たちを迎えてくれた同級生。





地元を飛び出した私たちとは違って実家のレストランを継いでいる。

一旦は海外へ出てフレンチの修行をして三ツ星レストランの三番手まで登りつめたのに
その座をあっさり捨てて地元に舞い戻って
まだまだ衰えを知らないおじさんと並んで腕を振るっている。



今では東京からもお客さんが来るほど、地元じゃちょっと有名なレストラン。







< 16 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop