倫敦市の人々
サーカスでの邂逅
「美弦~っ」

名を呼ばれ、少年は振り向く。

早朝の倫敦市。

白い息を吐きながら、ブレザー制服姿の高校生、茨木 美弦(いばらき みつる)は追って来た友人の姿を見た。

「おはよっ、今日も寒いな」

「うん」

この時期の倫敦市の最高気温は、10度を下回る事が少なくない。

他所の土地に比べて比較的低い。

朝ともなれば2度3度という事もある。

船舶通過待ちのタワーブリッジには、多くの通勤通学客が寒そうに身を縮こまらせていた。

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