倫敦市の人々
時計台の紳士
「本来、『最愛』以外に興味など皆無なのだがね」

コツコツと杖をつきながら、アイヴィーはゆっくり歩を進める。

「どうしたものかね…『我々』以外に捕食者の臭いのする者が現れるとは」

「捕食者?」

眉を顰めるジャック。

「俺は捕食者なのか?」

「驚いた、君は自覚がないのだな…いや、自身が何者か知らぬ口振りだったな」

緩々と首を振り、アイヴィーは呟く。

「この都市に無駄に蔓延る家畜どもとは一線を画する…『我々』はそういう存在なのだ。僕も、君の遭遇したラミアという女も…もしかしたら君も…」

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