君が嘘をついた理由。

はぁ、と珍しく溜息を吐いたのが聞こえた。



かたん、と靴を脱ぐ音がして、あわてて玄関へと行く。

「ただいま」


「おかえり・・・って、手」


私の顔を見て、ふんわりと笑った陽太の顔から、視線をずらし手を見れば、まかれてる包帯。


目を見開けば、陽太は包帯が巻かれた手を、軽く持ち上げた。


「ちょっと転んじゃってね。すっごく腫れるし、痛いから病院に行ったら、骨折だって」





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