君が嘘をついた理由。
「それにね、頭は良い方だと思うよ」
なんせ教師だし。
「……そういう頭のいい人とか、真面目で優しそうな人ほど犯罪起こしたりするんだけど」
確かに。それは否定できない。
黙る私に理香は続ける。
「大体、素性も詳しくわからない人の家に行く?
いくらなんでも無謀っていうか、危ないっていうか…」
「素性なら詳しく知ってるよ」
きっと、私なんかよりも理香の方が。
付け加えれば、眉を寄せられた。
なんで私が、と顔で言ってくる。
私は席を立ち、窓に体を寄せる。